公認会計士と中小企業診断士を比較! ダブルライセンスにも向いている?

公認会計士と中小企業診断士は、どちらも企業の経営に深く関わる業務を行う資格です。
企業経営に関与する資格取得を検討していて、

「どっちの資格のほうが難しいのかな?」
「どちらが役に立つのかな?」

と思っている方もいるのではないでしょうか。
また、すでにいずれかの資格を取得していて、

「この2つのダブルライセンスは有用なのかな?」

と検討している方もいるかもしれませんね。

ここでは公認会計士と中小企業診断士、2つの資格について仕事内容や試験の難易度、資格取得で得られるメリットなどを比較しつつご紹介していきます。

公認会計士・中小企業診断士それぞれの仕事内容とは

公認会計士と中小企業診断士は、それぞれどのような業務を行うのでしょうか。仕事内容の違いを見てみましょう。

公認会計士の仕事内容

公認会計士は、監査および会計のプロフェッショナルとして認められている国家資格です。公認会計士が企業の財務書類の信頼性を保証することで、公正な企業活動や健全な経済発展が守られています。

公認会計士の仕事内容は、監査、経理、財務、コンサルティングなど多岐にわたります。中でも企業などの依頼を受けて財務書類の監査または証明を行う「監査証明業務」は、公認会計士だけが行える独占業務です。

中小企業診断士の仕事内容

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして唯一認められている国家資格です。中小企業の経営診断や助言などを行うプロフェッショナルです。中小企業の依頼を受けて経営状態を分析し、課題を提示したり問題解決の助言を行ったりといった業務を行います。

中小企業診断士は、いわゆる「名称独占資格」です。独占業務はありませんが、中小企業診断士という肩書を名乗ってコンサルティング業務を行うことができるのは中小企業診断士試験合格後、所定の条件を満たして登録を行った人だけです。

公認会計士と中小企業診断士、難易度や合格率に違いはある?

公認会計士も中小企業診断士も、難易度の高い国家資格として知られています。その試験制度や難易度、合格率にはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

公認会計士試験の難易度

公認会計士試験の近年の合格率は11%前後です。

試験はマークシート方式の「短答式試験」と、短答式試験に合格した人だけが受験できる「論文式試験」で構成されています。

試験科目は必須科目となる「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」と、選択科目となる「経営学」「経済学」「統計学」「民法」の全9科目です。短答式試験では総得点70%、論文式試験では総得点52%がそれぞれ合格基準となっています。論文式試験では1科目でも合格基準に満たない科目があると不合格となります。

短答式試験に合格した人は、以後2年間申請により短答式試験が免除される制度があります。論文式試験で不合格だった場合、成績の良かった科目について以降2年間科目免除が可能です。

こうした試験科目や必要な学習量の多さが、公認会計士試験が難関とされる大きな理由だと言えます。短答式試験免除や科目免除の制度を利用して、2~3年かけて取得する人が多いです。

中小企業診断士試験の難易度

中小企業診断士試験の近年の合格率は4%前後となっています。

試験は、マークシートによる短答式の第1次試験と、第1次試験に合格した人が受験できる第2次試験(筆記式・口述式)の2段階構成の試験です。

試験科目は1次試験が「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理(オペレーション・マネジメント)」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の7科目、2次試験は4種類の事例科目(「組織・人事」「マーケティング・流通」「生産・技術」「財務・会計」)となっています。

1次試験は総点数の60%以上取得かつ全科目40%以上取得で合格となります。1科目でも40%未満の科目があった場合不合格となりますが、この場合40%以上取得していた科目については「科目合格」となり、申請により翌々年度までの1次試験で当該科目の受験が免除される制度があります。

中小企業診断士試験も科目数および必要な学習量が多い試験です。科目免除制度を活用して1.5~2年かけて資格取得する人が多いです。

より難易度が高いのは公認会計士試験

近年の合格率を見ると公認会計士11%前後、中小企業診断士4%前後となっており、中小企業診断士のほうが難易度が高い印象を受けます。

しかし公認会計士試験は、司法試験、医師国家試験と並んで三大難関国家試験の一つとされ、司法試験に次ぐ難関と言われています。実際には公認会計士試験のほうが高難易度に位置付けられる試験です。

合格率の違いは、受験者層の違いによると考えられます。

かつての公認会計士試験には、受験資格として大学卒業などの条件がありました。しかし2006年度から実施されている現行の試験には受験資格は設けられておらず、年齢や学歴を問わず誰でも受験することが可能です。このため、大学生が在学中に取得するケースなども増えています。

中小企業診断士は企業の経営にまつわる知識を幅広く身に着けられるという性質から、ビジネスパーソンを中心に近年特に人気が高まっている資格です。日本経済新聞社が20代から40代のビジネスパーソンを対象に実施した「第5回 取得したい資格ランキング」では1位を獲得しています。

資格学習のためにまとまった時間をかけやすい学生層が多く受験するため、公認会計士試験の合格率が引き上げられていると考えられます。一方、仕事のかたわら資格取得を目指すビジネスパーソンが多く受験する中小企業診断士試験は合格率が低くなりやすいというわけです。

公認会計士と中小企業診断士それぞれのメリット比較

難関と言われる公認会計士および中小企業診断士の資格を取得した場合、それぞれどのようなメリットが期待できるのでしょうか。主なものを見てみましょう。

公認会計士資格を取得するメリット

年収が高い

専門性が高いうえに独占業務のある公認会計士は、平均年収が1,000万円となっています。新人でも年収500万円、キャリアを積んだ人では2,000万円以上というケースもあります。高い年収を得られることは公認会計士資格の大きなメリットです。

仕事に困ることがない

監査証明業務は公認会計士の独占業務であり、公認会計士による外部監査は会社法や金融商品取引法などさまざまな法令によって企業や団体に義務付けられています。
監査法人では公認会計士不足と言われ、資格取得者は就職や転職に困ることがありません。また、独立開業する際にも顧客を得やすいと言えます。

試験なしで税理士、行政書士登録ができる

公認会計士になると、税理士と行政書士としても試験なしで登録することが可能になります。登録することで、税理士や行政書士を名乗って業務を行うことができます。

中小企業診断士資格を取得するメリット

キャリアアップや収入アップにつながりやすい

経営コンサルタントとしての知識を持っていることの証明になるため、社内でそうした人材として扱われ、社内での昇進やキャリアチェンジなどの機会が多くなります。会社によっては資格手当などの対象資格となっているケースもあり、収入アップにつながることもあります。

転職に有利になる

職する際、中小企業診断士は強みとなりやすい資格です。中途採用者に対しては即戦力となる人材を求める企業が多く、経営視点を持つ中小企業診断士はそうした期待に応える人材と認識されやすいためです。難易度の高い資格であることも認知されているため、意欲や能力の高い人であると見なされやすい点も、転職においては有利に働くはずです。

公認会計士と中小企業診断士ダブルライセンスを取得するメリット

公認会計士と中小企業診断士は、いずれも企業経営に深く関与する資格であり、それぞれの得意分野に違いがあります。ダブルライセンスを取得することで、企業にとってより頼りになる存在となることができるでしょう。

公認会計士が中小企業診断士を取得するメリット

公認会計士は、企業の財務データを分析し、数字上での課題や問題を提示することにたけています。一方で、そうした数字に対してどのような経営改善を行えば良いのかなど、具体的な解決策を導き出すのは公認会計士の守備範囲ではありません。経営面での課題解決を専門分野とする中小企業診断士の資格を取得することで、数字上の問題点に対する経営面から視点も加えた多角的な助言が可能になるというメリットがあります。

中小企業診断士が公認会計士が取得するメリット

中小企業診断士は、企業経営をさまざまな視点から分析し、経営改善の助言などを行います。しかし、財務や会計に関する細かい数字の読み取りなどについては専門家というわけではありません。このため、提示する経営改善案において数字の面での根拠が弱くなることもあります。公認会計士の資格を取得することで、数字に対する強みを持つことになり、より説得力のあるアドバイスができるようになります。

まとめ

公認会計士と中小企業診断士、2つの資格について仕事内容や試験の難易度、資格取得で得られるメリットなどの視点で比較してご紹介しました。
いずれも難関とされる資格ですが、資格取得後のメリットについては公認会計士のほうが多いと言えます。

いずれも難易度の高い資格であるため、ハードルは高いですが、取得することで業務の幅がより広くなります。ダブルライセンス取得の価値は大きいと言えるでしょう。

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